ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
「チャンバラ狂時代」のブログ。時代劇のこと、その他映画・テレビドラマやら俳優のことなど。
徒然なるままに、時々思いだしたように更新しています。

遠山の金さん捕物帳#3/暗闇仕留人#11

 本日(5/14)より時代劇専門チャンネルでは13時からの一挙放送が『遠山の金さん捕物帳』に。先週で桃太郎侍が最終回を迎えたその後枠である。
 おかげで録り逃していた第3話を無事視聴&保存することができた。
 CS局はリピート放送があるからホント助かるなァ。もっとも最近はハードディスク整理が追いつかず録り逃し連発。穴空きだらけのDVD焼きにも慣れっこになってしまっているが……。

 ついつい怠りがちになるホームページ更新。サイト主としては失格だが、これでも日々録画チェックはしているのである。
 休眠してないよーという証のためにも、また自身の覚え書きのためにも、テレビ時代劇のレビューはこまめにこっち(ブログ)へ載せていこうかと一念発起。今回はその初めということで。


『遠山の金さん捕物帳』(1970-73)#3「鼠が愛した女」
脚本:小川英
監督:荒井岱志
出演:中村梅之助、水原麻記、蔵忠芳、柳沢真一、瀬川新蔵
ゲスト:山形勲、天津敏、姫ゆり子、近藤正臣江夏夕子

 札差の加納屋(村居京之輔)が殺害され、嫌疑が妾腹の子。新二郎(近藤正臣)にかけられる。縄目を受ける間際、新二郎は恋人・お春(江夏夕子)に日向屋を頼れと言い残した。日向屋とは加納屋にとって商売敵にあたる同業の札差。金さん(中村梅之助)は主人の徳兵衛(山形勲)に見張りの目をつけるのだが、徳兵衛はその動きに感づき、逆に金さんを誘い出し共に加納屋へ忍び込むのだった。

 かつての大盗賊・鼠小僧と北町奉行。互いが正体を見抜き共闘するストーリー。むかし惚れた女の倅を救おうというのが鼠=日向屋徳兵衛の動機で、重鎮・山形勲がいぶし銀の格好良さである。二人は敵の懐に飛び込むべくわざと捕まる。この敵方には用心棒・天津敏がいてまた負けじと存在感を発揮している。
 余談だが、見張られている徳兵衛が店の中からそれを察知し見張り返しているという場面、いかにも豪商らしくギヤマンのグラスで洋酒をちびりちびり。これって抜け荷やらで儲けている悪役を表現するステレオタイプの演技だが、(今回の役どころはそうでないにしろ)山形勲ってこの図が実にサマになる役者だよなァ、としみじみ思ってしまったものだった。



『暗闇仕留人』(1974)#11「惚れて候」
脚本:播磨幸治
監督:高橋繁男
出演:石坂浩二藤田まこと、近藤洋介、野川由美子津坂匡章
ゲスト:新克利金田龍之介池波志乃浜田寅彦、原田清人

 押し込み一味として火盗改めに捕えられた荒くれ者・弥太(新克利)。おきん(野川由美子)の妹分だった女スリ・おまき(池波志乃)は凶行時刻、弥太に抱かれており無実を知っていた。
 デリカシーのかけらもない弥太の一目惚れ情事に愛憎半ばする複雑な女心だが、意を決しておまきが訴え出たところ、火盗長官の乾(金田龍之介)は否を認め謝罪するという意外な事態に。さらには人別の記帳、祝言や仕事の世話まで至れり尽くせりの待遇。主水(藤田まこと)は手柄を横取りされた私怨も混じってだが、この手厚すぎる贔屓ぶりをいぶかしむ。
 果たして一件は全て乾の引いた筋書きで、弥太は恩義に絡め取られ乾の政治的野心の道具にされてしまう……。

 のち丹波哲郎鬼平犯科帳で密偵・粂八を演じる新克利が、ちょっと似たシチュエーションでしかし全く違った顛末に至る。アナザーストーリーみたいな見方をするのも面白いかも。
 弥太が真相を吐けば表立った裁きも望めると、刑場へ引かれていく道すがら、けしかけ続ける主水。しかし弥太は瞑目し口をつぐんで……。処刑に至るまでの緊張感も見応え充分だ。
 演出は必殺シリーズに珍しい新東宝出身の高橋繁男工藤栄一や松野宏軌らお馴染みの面々に混じっての登板はちょいと異色な印象である。