北大路版『子連れ狼』のこと、結束信二のこと
リアルタイムでは見るに堪えないと思っていたのに、いくぶん時間をおいて再見すると、
「案外といけるじゃないの」
てなコトになるのがゼロ年代時代劇。
年々まともに時代劇が作れなくなっていくので、ちょっと前にはダメダメだと思っていたのが現在の目からすると俄然よく見えてしまうものだ。
という訳で約14年の時を経て観直しているのがテレ朝チャンネル2で放送された北大路欣也版『子連れ狼』だ。アチシは放送当時中学生くらいだったが拝一刀と言や最初っからヨロキン/ワカトミで認識していたため、随分とマイルドな北大路一刀は「なんか違う」と白眼視していた。いやいや、見直してみりゃ脚色もイイ感じだしなかなかいけるでないの(同時期にやっていた里見黄門はどう頑張ってもイイとは思えないが!)。
人情味を押し売りするようになってきた90年代以降のテレビドラマらしく、感傷が先に立つBGMなんかは気になるものの、全体として悪くない。何より柳生烈堂が夏八木勲ってのがナイスである。可(べく)の字や出淵庄兵衛から出世してよくまぁ裏柳生総帥にまでなったものである。
ミフネの『荒野の素浪人(2)』のため契約してあったテレ朝チャンネルだが、思わぬ副産物的拾い物ができてしまった。現在、第2シリーズまでを放送してくれている。『八丁堀の七人』シリーズ挟んで早いところ第3シリーズもやってくれんかのう。
東映チャンネルは時ならぬ結束信二ラッシュ。映画も東千代之介主演『佐々木小次郎』前后篇や『隠密七生記』など結束脚本作が多いし、『天を斬る』に続いて『俺は用心棒』『待っていた用心棒』が立て続けに開始。『用心棒』シリーズは救いがない話が多いながらも、しみじみと心に染み渡るような人間賛歌が見事である。前回の放送が穴あきだらけになってしまったので、今度こそコンプリートさせてもらおうかい。
しかし……栗塚旭のピンチヒッターとはいえ、連続テレビ映画の主役に伊藤雄之助を起用するなんて、昔のテレビはなんて素晴らしい企画力を持っていたんだぁ。
結束信二に関しては、近々「時代劇スタッフ人別帳」に加えるつもりで、目下のところ資料まとめ中。
最近どうも東映京都テレビプロ作品視聴の比率が多くなってきておる……。