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「チャンバラ狂時代」のブログ。時代劇のこと、その他映画・テレビドラマやら俳優のことなど。
徒然なるままに、時々思いだしたように更新しています。

時代劇ライフ2018年2月

 今月はちっともホームページ(チャンバラ狂時代)が更新でけんかったのう……。

 更新したかと思ったら唐突に2時間ドラマのデータだったりして、また新ページ乱立して放置のパターンが続くんではないかなどと我ながら不安になってくる。

 →京都殺人案内 -チャンバラ狂時代

 しかしながら、狭い世界である映画・テレビ制作業界、スタッフ陣の仕事を辿っていると、時代劇関係の人たちも当然、現代劇の現場でも活躍しているのである。スタッフクレジットを眺めるのが最大の楽しみみたいなアチシにとって、「あっ、このキャメラマンがこんなところでも!」なんて発見をしたりするのは、無上の喜びなのだ。

 てなワケで時代劇スタッフ人別帳ともまんざら無関係でもないサイドワーク、これからもちょいちょい手を入れていく所存。

 

 とか何とか言いつつ最近はもっぱら東映チャンネルにて非情のライセンスチェックで忙しいアチシ。毎回えせハードボイルド街道を突き進んでいく兇悪の会田刑事@天知茂センセイから目が離せずこちらの眉間にもシワが寄ってくるような日々を送っている。先日放送の#6「兇悪の目」はゲストに小池朝雄を迎え、ベトナム戦争をテーマに重厚すぎる物語を叩きつけられ、しばし放心状態になった。お、恐るべし70年代刑事ドラマ……。

 絶対に欠かさず録画・保存するから、第3シリーズまで余さず放送してくれよォ。

 と思っていたら、ナーンジャコリャ。


 


 

  4月(VOL.1)・5月(VOL.2)にDVD-BOX発売ですってよ。

 なんか最近、このパターン多いんでないかい。お宝作品が東映チャンネルで放送されるとほぼ同時に、ベストフィールドからソフトが出るっての。江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎とか劇場版『風小僧』とか『ザ・ボディガード』『ターゲットメン』『ゴールドアイ』など、軒並みこのパターンである。一体どういうご事情がおありなのか知ら。

 東映チャンネル以外でも、ホームドラマチャンネルでやった『コードナンバー108 7人のリブ』日本映画専門チャンネル『森繁対談』もご同様だったんじゃないか。ベストフィールド、何者ぞや?

 

 それはさておき、時代劇のほうで最近よく観ているのは日テレ里見浩太朗アワーとも言えた火曜20時台の一連作品、その最終作である『闇を斬る 大江戸犯科帳』だッ!

 多くの時代劇ファンを敵に廻すこと覚悟でアチシは里見浩太朗嫌いを広言して憚らない。なんとも偽善的な雰囲気で説教垂れて、いつも配下を顎で使って自分は動かない里見ヒーロー、ほんっと好きじゃない。コキ使われる配下ってのは長七郎江戸日記が長かったせいか火野正平というイメージが強いが、単発スペシャルの寛永風雲録』でも里見知恵伊豆はやっぱり密偵火野正平を顎で使っていたっけ。

 で、この『闇を斬る』でもやっっぱり里見ヒーローは密偵火野正平を顎で使っているいつも通りの……と思いきや、なかなかどうして、長七郎だの右近だのと葵の権威を嵩に着たいやったらしいそれまでの主人公像とは違って、里見浩太朗らしからぬ横紙破り。自称“闇奉行”の一色由良之助は、乗り込んだ悪人邸で「闇奉行の俺に証拠なんざいらねえんだ!」とステキな名台詞をのたまい、ツベコベぬかそうとする悪玉を斬り捨てる。いやはや里見時代劇の中じゃいちばん見ていられる作品ではないかコレ。なにしろ証拠があるときでも破り捨てて前述の決め台詞に持っていくくらいの横暴ぶりである。アチシはどこかここにかつて萬屋錦之介がやっていた破れシリーズの匂いを感じて、楽しんでいる。

 もっとも里見浩太朗はその後水戸黄門でご老公に出世、またしても葵の権威を嵩に着た実にいやったらしいヒーローを嬉々として演じることになるのだけど。

 

 話があちこち飛ぶが、アチシの敬愛する脚本家で里見アワー作品でも健筆を振るっていた和久田正明氏の新作時代小説がまた出ているのでちらっと紹介しておく。小学館文庫より『提灯奉行』

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  将軍・家斉の御台所である寔子が襲撃され、その危機を救った提灯奉行・白野弁蔵。目付から影扶持を与えられ密命を受けている武骨な初老御家人のかれは、こともあろうに将軍家正室に慕情を抱き、そしてまた助けられた寔子のほうでも白野に異性として惹かれる。

 和久田脚本では『また又 三匹が斬る!に「男売ります、悲しき提灯奉行」なんてのがあったなァ、と思い出されるが、あちらの赤塚真人と違って本作の主人公・白野弁蔵は腕の立つ硬骨漢。名は『シラノ・ド・ベルジュラック』(をもじった白野弁十郎って翻案モノもあったっけ)をモチーフにしているのであろうか、しかしシラノとロクサーヌの場合と違い白野・寔子は相思相愛、けれども絶対に叶わぬ恋なのは言うまでもない。

 ありえないシチュエーションながら人妻(それも時の将軍の!)と小禄の役人が想い合う展開を軸に、影の集団による陰謀を粉砕する物語は、ちょいとトキメキながらページを繰らせる引力がありますぞえ。

 脚本家時代から、和久田氏はキャラの魅力を光らせるのが巧い人である、ってェのがアチシの持論だ。