時代劇名曲集……勝手にリミックス!
Vシネやらセガールやら、随分とやくざ度合いが増してきてしまったこのブログ。ちょっとばかり本分に立ち返って時代劇絡みの話題を載せてみたい。
時代劇のCD。
主題歌や名曲オープニングテーマなどを集めた円盤。
ペリー荻野サン監修の『ちょんまげ天国』をはじめ数々のコンピレーション・アルバムが出されており、アチシも網羅とまではいかないまでも幾らか手元に持っている。
もっともこのジャンル、各アルバムで重複は多かったりして、集めれば集めるほど『旅愁』やら『だれかが風の中で』といった定番の名曲がダブりまくることになるのだが……。
そんな中でもひときわヒネった選曲がイカしていて繰り返し愛聴してしまうアルバムがある。
テイチクより2003年リリースの『TV時代劇グレイテスト・ヒッツ2』。
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同シリーズの1は、大瀬康一唄う『黒い編笠』やら上月晃(!)唄う『峠のバラード』なんて意外なところも抑えており健闘しているのだが、いかんせん『あゝ人生に涙あり』『銭形平次』『ねがい』など定番どころの比重が大きい。
ところが2になると、一気にマニアックさを深めたラインナップになって混沌を極めるのが素晴らしい。
1972年の田村正和版『眠狂四郎』主題歌(歌唱は沢竜二!)『孤独』だとか、主演・北大路欣也自ら熱唱する『地獄の辰捕物控』主題歌『何故にお前は』とか、我が偏愛作品『俺は用心棒』の主題歌&挿入歌『おとこ独り』『野良犬がいく』なんぞも収録されている(後者は作中で使われたフォー・コインズ版でなく主演の栗塚旭が唄ったヴァージョン)。
伊部晴美サウンドが冴えわたる『江戸の牙』OPテーマ『THE FANG』は手堅いチョイス。『暁に斬る!』主題歌の『狼よ一人で走れ』(泉洋次&SPANKY)なんかもよくぞ入れてくれました、の名曲。
しかし大目玉はコレ。
『月影兵庫あばれ旅II』の主題歌『孤独(ヒトリ)のカーニバル』(佐武明香)。このオムニバス編んだひとのセンスに脱帽するしかない。ただでさえ近衛十四郎センセイの代表作という巨大な碑の陰に隠れてしまっている村上弘明版、しかもその第2シリーズという世間じゃ「ああー、そういやそんなんもあったね」的扱いの作品から、拾い上げてくれたものである。
むろん、他にも時代劇の名作・傑作テーマ曲/主題歌は数多ある。
現在はyoutubeなんかで親切なひとがアップしてくれているので、気軽に聴くことができるものもあったりする。しかし作家に敬意を払いたい人間としては、好き放題に享受するだけして、作り手に一文のゼニも落ちない形ってのはどうにも釈然としない点があるので、あんまりそっち側には与したくない気がする。
もしアチシがオムニバス組むとしたら、入れたい曲はいっぱいあるが……これまで手をつけられていないであろう中から選り抜きしてみると、
『大江戸捜査網』里見シーズン初期主題歌『ながれ橋』(若子内悦郎)
『柳生十兵衛七番勝負』シリーズより、メインテーマ(作曲:梅林茂)
『柳生十兵衛七番勝負 島原の乱』主題歌『鵺の鳴く夜』(伴都美子)
『暁に斬る!』OPテーマ(作曲:伊部晴美)
『旗本退屈男(1973年テレビ版)』メインテーマ(作曲:牧野由多可)
『日本名作怪談劇場』メインテーマ(作曲:牧野由多可)
『お耳役秘帳』主題歌『陽かげり』(伊吹吾郎)
『荒野の素浪人(第2シリーズ)』メインテーマ(作曲:佐藤勝)
『人魚亭異聞 無法街の素浪人』メインテーマ(作曲:平尾昌晃)
『隠し目付参上』主題歌『愛のめぐり逢い』(愛川由美)
などなど、このあたりは間違いなく欲しいところであるなァ。
もっとも当節CDなぞいうものは所謂“オワコン”なのかも知れないけれど。