時代劇党宣言
うーむ、ついにブログに手を出してしまった。
アチシこと「チャンバラ狂時代」サイト主・吉外武男はかれこれ十年もずっとHTMLでホームページを管理し続けてきて、ブログ形式をずっと嫌ってきたというのに。もちろん今も嫌いだけど。
でもやっぱり、HTMLページで日記のような即時的なものを載せるのは難しいと判り、結局は手軽なブログというものに手を延ばしてしまったという次第。もっとも時代はすっかりSNS主流に移ってしまってるのだが。
幼少よりの時代劇マニアもいよいよ高じて、今やテレビ時代劇の制作スタッフさんの足跡をたどる資料整理に没頭する日々。
暗雲垂れ込める浮世と関わるのがイヤでイヤでたまらないのもあるけれど、この時代劇まみれライフが楽しくて仕方ないのも事実。ってアタシャひきこもりの駄目人間か!? ……いやその通りか。
今月12月はクリスマスイブなんぞ知ったことか、24日が三船敏郎の命日にあたるということで自分の中ではミフネ月間。課題として打ち立てたのは、一日一本は必ずミフネ出演作あるいは三船プロ制作の作品を観ようという暴挙である。
てなワケで『大忠臣蔵』やら『荒野の素浪人』なんかをコツコツと視聴しておるのだが、ノルマみたいなものを課すまでもない、再見であるにも関わらず面白くてしょうがない。次から次へと観たくなってしまって困りものなのである。
あ、ちなみに『荒野の素浪人』は1974年の第2シリーズ。
前作は荒唐無稽マカロニウエスタン調だったが、こちらはミフネのヅラも三十郎そのままの総髪になり、音楽も佐藤勝が担当した本格時代劇だ。武士道だの掟だのといった体制的なものの理不尽にミフネ素浪人の怒りが爆発、力の限りぶった斬る!
偉大なる大根・ミフネをこの上なく活かした最高傑作だなァ、という印象を新たにした。
昔はよかったとか言いたくはない。今も昔もろくな時代なんてあった試しはなかろうと思う。でも、まともに時代劇が作れない時代はかなわんなァ。
昨年、松方弘樹主演で『柳生十兵衛世直し旅』なる作品が撮られたけれど、松方ダンナらベテランの健闘にも関わらずやっぱり「何か勘違いした時代劇」という印象が拭えず、単発ドラマで時代劇が作られる(ジャニーズ仕事人だの大江戸捜査網2015だの)たびに感じる違和感とおなじものを感じてしまったのだった。
松方ダンナを担ぎ出してさえこれだもんなァ!(この作品に関してはまた詳しく述べたいと思う)
結局、安心して観られるのは『鬼平犯科帳』スペシャル(これも終了が決定した)やらNHK時代劇ばっかりということになってしまう……。といっても殆んどエアチェックばかりになってるんだけど。
嗚呼そういえば昨日、BS日テレで『佐武と市捕物控』やったんだっけ。ハードディスクの残量不足で録画できなかったゼ。
勿論、こんな愚痴めいたことを門外漢がぬかしているのは、現在の状況下で最大限にやっている作り手さんたちに失礼以外の何物でもない。
それを承知の上で、やっぱり今に希望はあんまり持てないのである。
今を生きているよりも、昔のいい仕事を掘り起こして評価したい。
そんな後ろ向きだけど、日陰者としちゃ最大限にポジティブな時代劇党宣言、します。